プロジェクトストーリー
原子力発電プロジェクト
安全な社会インフラ整備に貢献
チームで二重三重のチェックに努め、正確な構造解析を報告書に落とし込む
2011年に起こった東京電力福島第一原子力発電所の事故の反省や国内外からの指摘を踏まえ、原子力施設の設置や運転等の可否を判断するため、従来の安全基準を強化して新たな規制基準が施行された。それに伴い、フジミコンサルタントでは原子力施設に関連する設計業務において新基準の適合性に合致するよう構造解析・安全性照査を実施している。
プロジェクトを牽引する菅原と、メンバーの若手社員2人に進捗状況や仕事のやりがいなどを話してもらった。
MEMBERS
-
菅原 良明
YOSHIAKI SUGAWARA設計部 グループ長
1990年入社 -
片原 啓佑
KEISUKE KATAHARA設計部 リーダー
2015年入社 -
内山 柊人
SHUTO UCHIYAMA設計部
2021年入社
重要な地下構造物の耐震設計をチーム体制で
- 菅原
- 2011年の東日本大震災によって福島第一原発で事故が起こったことで、日本にある原子力発電所は全ていったん止めて、大地震に耐えうる構造になっているか見直す方針が示されました。当社はそれ以前から原子力発電所の土木設計に関わっていましたが、近年耐震構造を照査するプロジェクトが本格化し、今は設計部全体で構造解析・設計から報告書を順次まとめ、発注者に提出する過渡期を迎えています。
構造物の中でも取水系の屋外重要土木構造物という重要部分の耐震設計に当社は関わっており、私がグループ長、そして片原君が設計のリーダーとして、新人の内山君には現在、報告書のチェックを主に担当してもらっています。
- 片原
- 私は過去、自治体をお客様とした下水道管路や道路排水の設計を行っていましたが、2020年から当プロジェクトに抜擢され、複雑な断面構成を持つ地下構造物の耐震計算と報告書の作成に打ち込んでいます。また、最近はメンバーのまとめ役や新人の内山君たちを指導するリーダー的役割も担うようになりました。といっても私自身初めて学ぶことも多く、特に計算したデータを報告書に転記する際のミスはないか、ダブルチェック体制を敷いて内山君たちと一緒に頑張っています。
- 内山
- 私は新卒で入社して、いきなり原子力プロジェクトの一員となり、重要な仕事にプレッシャーはありました。ただ当社は先輩や上司に質問しやすく、堅い仕事内容ながら軟らかい社風に助けられて仕事ができています。主に資料や計画届、解析を行うためのデータチェック作業がメインで、片原さんたち先輩の業務フォローに努めています。
試行錯誤の末に責任を果たすやりがいは大きい
- 菅原
- 仕事ではどんなことが大変で、どんなときにやりがいを感じているのかな?
- 内山
- 資料や報告書のチェック作業はExcelを使用して行うのですが、この数字はどのような計算によって導き出されているのかも考える必要があります。一つ一つ細心の注意を払ってチェックするのですが、時間がかかりすぎると納期に間に合いません。その辺でどうしたら早く正確にできるか、トライ&エラーの連続です。時に失敗もありますが、先輩の片原さんはそのつど教えてくれるので頼りになる存在です。
- 片原
- 内山君は何でも質問してくれるので教えがいがあります。自分たちがダブルチェックをしっかり行い品質保証の部分で貢献できたときがやりがいです。最近は発注者側に菅原さんと一緒に出席し、説明する機会を持たせてくれたことが思い出ですね。そこで特に問題点が出ることなく、一つのフェーズが終わったときは大きな達成感が得られました。
- 内山
- 私自身はまだ大きなエピソードはないですが、当社の業務で取り扱う建造物は非常に社会で重要な使命を帯び、多くの人の生活を支える可能性もあるので、社会への貢献度の大きさはやりがいに感じています。
- 菅原
- そう思って仕事に打ち込んでもらえるのはありがたいな。安全な社会資本の整備という責任を感じつつ、同時に構造計算や設計の楽しさも感じてほしいと思っています。私自身過去から長く携わっていて、大切にしているのは、二重・三重にチェックすることによりエビデンスを残すことや、間違いを見逃さずしっかり発見すること。また報告・連絡・相談は意識して、常に2人との関係においてもそれぞれの状況を把握することに努めています。
現場も体感しながら多様な構造物を担いたい
- 内山
- 菅原さんは当社で過去に、どんな案件を主に手がけられたのですか?
- 菅原
- 私は変電所やダムの構造物から橋梁や防波堤まで、多岐に関わりました。土木工事は土を掘って埋める工事が多く、設計では土圧や水圧に耐えられる構造が重要なため追求してきました。その経験が、地震や津波を想定した当プロジェクトにも非常に役立っています。2人は今、発電所関係ですが、設計技術は多様なので、当プロジェクトに打ち込んだ後はいろいろな設計技術に着手し、対応の幅を広げてほしい。それが設計部の実績と技術力向上につながると思います。
- 片原
- 私は下水道分野を経て発電所関係に当たっていますが、最近はコロナ禍だったこともあり、なかなか現場を見ることができない状況でした。今後は、現地を見に行く機会や、お客様と直接打ち合わせする回数を増やして、実際の工事現場も体感しながら多様な社会インフラ案件に関わっていけたらと思っています。
- 内山
- 私は建築学科出身でしたので、設計というと意匠デザインをイメージしがちでしたが、土木分野は耐震性を担保するための構造解析や計算が非常に重要であることを知りました。また菅原さんの話などから、土木もいろいろな分野があることを教えてもらい、これから多様な案件にも着手して頼られる設計技術者になっていければと思います。
- 菅原
- 未来への目標を胸に、今は目前に迫った原子力発電プロジェクトの完遂を目指し、正確な解析と図面による成果品を報告書に落とし込んでいこう!